理事長 野寄誠三
「朝鮮動乱を契機として我が国の各種産業は俄然活況を呈し、殊にアメリカの強力な経済援助により産業も漸く軌道に乗り前途に光明を認めるに至りました。しかし我が国の再建はその経済の自立を達成する事によってのみ始めて為し得られる。その為には今後猶ほ幾多の障害と苦難に満ちた茨の道が横たわっています。」
これが豊橋青年会議所の設立趣意書の書き出しです。
日本の戦後復興は経済の自立によってのみ為し得られるものであり、その成否を「青年の積極的意欲と情熱」に委ねスタートした青年会議所のムーブメントは今年56年目を迎えることになりました。
では、当初の目的は達成できたのでしょうか。
国民総生産約500兆円・・・世界第2位、経常黒字約18兆円・・・世界第1位
確かに数字だけ見れば今や押しも押されぬ経済大国となったことは誰もが認めるところだと思います。しかし、幸か不幸か日本人の「勤勉さ」「繊細さ」のおかげであまりにも早く手に入れたこの「経済大国」の代わりに、我々は「他人を思いやる心」、「義理・人情」、「美しい四季の中に人生の悲哀を投影する文化」「富よりも名誉を尊ぶ心」等武士道精神をベースにした自らのアイデンティティや心の豊かさをどこかへ忘れてきてしまったようです。
「戦後復興」を大きなミッションにして始まった青年会議所のムーブメントは今、「日本人としてのアイデンティティ復興」をミッションに、第二のステージがはじまりました。将来を担う子供たちに自信と誇りをもってたくましく生きてもらうために、「日本に生まれてよかった」、「豊橋に生まれて本当によかった」と思われるために。
Japan-Revolution 今立ち上がるべきときが来たのです。
毎朝整理する数十通のE−メール。その傍らで震える携帯電話。そして無作為に配られるDM。私たちは毎日数え切れないほどの情報を見、聞き、そしてその情報たちに時間を割かれています。これはほんの一例に過ぎませんが、すべてのものや情報が氾濫するこれからの次代にわれわれに求められるもの、それは“本質を見抜く力”だと思います。われわれJayceeは限りある時間を有効に使うために、そして将来に備えて間違いのない投資を自分に、家族にそして社会にするために、“本質を見抜く力”を養い、「今なにが本当に必要なのか?」「なぜこうなったのか?」「何のためにやるのか?」等、常に考え、思いをめぐらせることによって素晴らしい未来をつくることができると思います。ものごとを真正面から考え、本質を見抜く。そして視野を広げアイデアを出して議論する。最後は大胆に行動する。50年以上の歴史を刻んだJCのひとづくりの原点はまさにここにあると考えます。
JC-Revolution 原点に帰り真剣に取り組んでみましょう。
みなさんは、何を求めて青年会議所に入会しましたか?
「まちづくりに関わっていくため」、「友達をつくるため」、「自己啓発をするため」、「人脈をつくるため」・・・。
戦後復興を目指し、地域の青年経済人が情熱をもってスタートした青年会議所運動ですが、やはりその根底にあるのは「ひとづくり」だと考えます。「まち」も「ひと」の集合体であり、会社もしかり、もちろん青年会議所はもっとも「ひと」に注目をした団体だと思います。これらを組織するひとつひとつの細胞=「ひと」が輝いていれば、その組織は輝いて見え、「ひと」が元気がなければその組織の状態は言うに及ばずです。皆さんはJayceeとして、他人のため公共のために奉仕する高潔な精神のもと、恵まれた環境により自己を高める権利を持ち、会社や地域にフィードバックする義務を有し、市民意識改革の先導者として行動することが求められています。そのためにはリーダーシップを追求し、あらゆる角度から「ひと」にこだわっていくことが重要だと思います。2007年度社団法人豊橋青年会議所は「ひと」に着目し、目の前にある多くのミッションに果敢に取り組んでいきます。
−自らの足腰を鍛え、将来に備えよう−
われわれは会社のリーダーであり、また地域のリーダーでもあります。それは宿命なのかもしれません。しかし、この宿命を真摯に受け止め、たゆまぬ努力を続けなければ、われわれを信じついてきてくれる家族や社員は路頭に迷ってしまうことでしょう。会社や組織の意思決定も、生産という行為も、はたまた雰囲気の良し悪しなどすべては「ひと」によって生まれてくるものだと思います。青年会議所の組織や仕組みそのものがリーダーシップ探求の場だとは思いますが、これから益々重要になってくるこのリーダーシップについて考え、常にリーダーとしての自覚をもち行動することが自分の会社や組織の行く末に大きく影響すると考えます。また、JCは青年経済人の集まりです。経済は生き物でありわれわれはそれを扱う責任ある立場の人間なのです。この先の経済の行方を考える力はもちろん、一方で会社という生き物をしっかりと導く腕も重要だと思います。リーダーシップを探求し、会社のこと、経済のことを常に勉強する。当たり前のことかもしれませんが今一度見直していこうではありませんか。
−この地域の将来を託すために−
「愛国心」ではなく「国を愛する心」・・・。教育基本法の改正論議が国会で高まっている今、我々はなにをすべきなのでしょうか。まずは自分を肯定し、家庭を愛し、そして地域を愛するというステップがあってこそ、「国を愛する」という気持ちが自然と湧き出てくるものだと考えます。われわれは青年会議所運動の基本単位であるLOMとしてこの問題に取り組むべきだと思います。そこには日本古来の道徳観の醸成や家庭教育の基本である「躾」の大切さを見直すことが重要だと考えます。そして一方で、従来の発想にとらわれない柔軟な考え方や多様な価値観を認めるこころが、豊橋の将来を託す「ひと」には大変重要な要素になると考えます。基本を再確認し、将来のために視野を広げる・・・。この地域の将来を託すために、行動していきたいと思います。
−わがまちをどんなかたちで次世代に渡すのか−
わがまち豊橋は気候温暖で物価も安く、また交通の便もよく大変住みやすいまちです。2006年には市制100周年を迎え、次の100年のスタートを切りました。100年という長いあいだに地球環境は変わり、豊橋市を取り巻く環境も変化していきました。明るい豊かな社会を創造し、次世代に引き継いでいくためには、新たな100年がスタートした今、いろいろな方向性を模索し、新しいビジョンを掲げるときがやってきたのだと思います。本年度は日本JCの提唱するマニフェスト型公開討論会をも視野に入れながら、真の市民主権の実現へむけての材料を提供し、市民ひとりひとりが考え行動するきっかけをつくっていきます。また、過去われわれの先輩は広域循環型社会の構築に向けて「穂の国森づくりの会」の設立等に情熱を傾けてきました。あれから10余年、いまや広域での環境、医療、インフラ等課題は多く、ますますこの理念が必要となってきています。また時代は「小さな政府」を求め、その結果地方の線引きを変更する「道州制」や「市町村合併」の話題が多くなってきました。来るべきときのため、われわれはしっかりと準備をし、自分たちの意見を持って備えなければならないと思います。
ひとりひとりの行動を喚起しながら未来のまちの絵を描いていく、そんな1年が実現できることを願ってやみません。
−磐石な体制がLOMの力を左右する−
会員数の減少。この問題に直面していないLOMは存在しないかもしれません。JCの力の大小は会員同士の切磋琢磨によるところが大きいのです。会員同士の切磋琢磨が多ければ多いほどLOMの力は増幅されます。本年度も全員拡大体制によってLOMの力を増強させるべく行動していきます。後に続くメンバーが素晴らしいJC活動を展開できるために・・・。豊橋青年会議所のクオリティの高さは「総会」の緊張感と威厳にある、とよく先輩から聞かされたものです。当たり前のことですがJCの事業費はみなさんの会費そのものです。「総会」において「ひと」と「お金」と「使い道」を審議し、承認する。このプロセスを真剣にやればやるほど後々の委員会活動や事業は素晴らしいものになると確信します。LOMの力を増幅させ、そしてLOMのクオリティをあげていく、それはLOMの明るい将来のためなのです。
−ブロック会長輩出LOMとして−
2007年度、ブロック会長輩出という大きなミッションを授かりました。過去、われわれの先輩は多くの出向者を輩出し、そして多くの人的ネットワークや知識を持ち帰ってきました。豊橋青年会議所の強み、それは出向者の輩出にあると思います。本年度はこの豊橋青年会議所の強みを生かし、将来にわたって多くの財産が享受できるよう、全力で支援をしていきたいと思います。
−おわりに−
われわれJayceeはJCのメンバーであるということがいかに恵まれた環境にあるかということを認識し、市民意識改革の先導者であることを自覚しなければなりません。このまちの未来に対して、家族や会社の未来に対して、そして自分の未来に対して、いま行動を起こすべきときが来たのです。40歳までの青年に与えられたチャンスを生かして・・・。
さあ、本質を見抜いて、大胆に行動しましょう。
そして素敵な人生を送りましょう。
Rolling 30 動けない花になるな
過ぎ去った過去は断ち切ってしまえ
身体より老けた心など持つな
自分のカラを突き破り
Rolling 30 転がる石になれ
青春の長さ測るものはない
流れ行く時にさからって泳げ
愚かな笑顔など見せるな
(「Rolling30」=吉田拓郎より)
理事長 野寄誠三
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