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昔、祖父母から「お天道さまに顔向けできないような人間にはなるな」と聞かされた記憶はありませんか。「お天道さま」という表現は、日本古来の文化や伝統、価値観を育んできた規範を凝縮した表現です。このように規範とは自然発生的に社会や共同体の中から生まれ、「道徳」として私たちの生活の中に根付いてきました。社会とのふれあい、共同体とのふれあいを通じて子供たちは感性を磨き、成長するに従って自然な、心ある行動がとれるようになっていきます。しかし、核家族化が進み、地域との関係が極端に希薄になってしまった現在、子供たちは感性を磨く場所を失いつつあります。
インターネットの普及に伴い、家にいながらにして膨大な情報を瞬時に収集できるようになった現代において、ますます子供たちは仮想と現実の境界を見出せないまま成長していきます。その結果、モラルを失った若者が増え続け、凶悪犯罪も増加の一途を辿っています。このような状況では、連綿として受け継がれてきた、この美しい日本人の精神文化を守り、継承していくことは困難であると思います。
本年度、ジュニアアカデミー委員会では子供たちの感性を磨く青少年育成事業を推進していきたいと思います。「天知る地知る我知る」ということばは道徳違反を律したことばですが、誰が見ていなくてもお天道さまだけは見ているという古より日本人が培い、育んできた精神文化を、他人とのふれあいを通じて思いやりの心を育てる、という道徳教育の原点として捉え、次世代を担う子供たちに伝えていきたいと思います。
子供は地域の宝であり、将来のまちづくりの担い手です。凛とした美しい精神文化を子供たちに伝えることは今後の活力あるまちづくりへと繋がっていきます。この精神文化の継承、すなわち思いやりの心を伝えることが、真に「明るい豊かな社会」の実現へ向けての大いなる力になると確信致します。 |
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